奥三河地域の同族および同族祭祀と、神奈川県大和市、および京都府天田郡三和町等の同族との歴史的・構造的比較を試みつつ、同族と同族祭祀の形態を、近世の支配原理である土地の均等分地に端を発しているケースと、近世のいわゆる「百姓株」に端を発しているケースの2類型に区分できることを提示し、かつ三河地域には、この両類型の同族と同族祭祀が混在していることを明らかにする。