平安時代の僧 奝然(938-1016)は、永観元年(983)、入宋し、当時都汴京の宮中滋福殿に安置されていた優塡王思慕像として名高い釈迦如来像を拝した。そののち奝然はその像を模刻して日本に持ち帰り、京都嵯峨の源融の別荘棲霞観の釈迦堂に安置した。これが清凉寺の始まりである。 この清凉寺を、その歴史、美術・文化財、文学、伝承芸能等のさまざまな方面から専門家が分担論述してできたものが本書である。新版古寺巡礼シリーズ全40巻の39巻目。監修は梅原 猛。編集委員は村井 康彦、辻 惟雄、道浦 母都子、白幡 洋三郎