東晋から劉宋にかけての人、宗炳の「明仏論」には、仏教の説く三世報応を実証するために、人間の精神の根源である「神」の不滅が説かれる。宗炳の神は、基本的に宗炳の師・慧遠の説を受ける。 宗炳は、一方で仏教の空をさとることによって心のはたらきを止め、刹那滅の識が尽きたのちに残るものが神だとし、また一方では神を中国的な気と同一視する。おそらく仏教の空をさとることによって気の性質が変化し、輪廻転生を繰り返しつつ神が純粋化されると、最終的に涅槃に等しいものになりうるというのが宗炳の最終的な主張であるかのごとくである