絵の左右むきの弁別学習課題において般化テストで左右提示位置をも変動させたが、4-6歳児の大半の反応傾向は影響を受けなかった。つまり、幼児はむきを方向性として符号化していないことが明らかにされた。また、弁別学習課題の成績レベルは異同判断課題のそれに関連していたが、差異指摘課題のそれとは関連がなかった。それ故、左右反転の混同における個人差は選択的注意という以上の認知的能力にあるのではないかと推論された。