講演者は、ローマ帝国が統治下に入れた地域にどのような影響を与えたかという、帝国の歴史的意義を問う問題について、統治システムや経済活動などではなく、統治下住民の「心」の有り様を解明することで迫ろうとする研究計画を立てた。本講演では、帝国西半地域のガリア諸属州を素材としてこの問題を考察する際に必要な研究の視角や重要論点について、3つのトピックを検討することを通じて得られた研究の見通しを述べた。