退院援助がMSWの中心的業務であるといわれて久しいが、これまで、その対象をめぐって実践の本質が問われることなく、機能的あるいは技術的な課題に終始していた。本稿では、退院援助の課題を明らかにするにあたって、生活理論に依拠した生活把握を援助事例について総合的におこなった。そこで捉えられた生活実態からMSWによる退院援助の対象を規定し、その対象から援助の課題を明らかにした。