現在、保育・幼児教育の質の向上と小学校教育への円滑な接続について議論が活発化している。しかし、小学校の学びにどう接続するのかという問いの立て方は、ともすれば、これまで質的に異なるとされてきた乳幼児期の学びの在り方そのものを捨象して「できること」に目を向けた性急な接続となる危険性があるだろう。また、保育者・教師側の「育ってほしい姿」を到達目標化してしまい、保育内容が小学校の準備教育になる可能性がある。
そこで、本研究では、①子どもの経験を読み取る枠組みを検討する。その上で、②子どもの学びを次の学びにつなげる接続期カリキュラムを構築し、③接続期カリキュラムに応じた創発的アウトカム評価を提案する。