『万葉集』にはA大津皇子と「石川郎女」との贈答歌、その直後にB「石川女郎」をめぐる大津皇子と草壁皇子の歌が収められる。元来出自の異なる考えられるABは、宴席での贈答歌Aに「石川女郎」をめぐる大津と草壁との争いという物語的歌群Bが賦与されて「大津皇子物語」を構成する一場面が構成されたと考えられる。