一見日本の伝統文化の表象とも思える「龍」は、古代に中国から伝来した大陸文化である。古代日本の「龍」の表象の特徴は、神聖性を帯びた儒教的な「龍」ではなく、道教的な、摩訶不思議な怪物である。これは、当時の文化を担った官僚知識人たちの道教世界への興味を示すと考えられる。