『懐風藻箋註』の本文は、群書類従が底本だと考えれてきたが、群書類従の本文ではなく、他本の本文を採用している箇所が多く見られる。『箋註』は、ある特定の伝本を転写する意識ではなく、群書類従も含めた複数の伝本を複合させて、最も適切な本文を復元しようという意識で筆写されたと考えられる。