早稲田大学図書館蔵『真香雑記』を用いて、江戸期の懐風藻注釈書『懐風藻箋註』の執筆者「今井舎人」が、一般には系譜学者として知られる鈴木真年の雅号の一つであることを証明した。鈴木真年は多種多様な雅号を自らの著作・書写物に書き散らしている。「今井舎人」も、「新田―今井」に連なるはずの自らの家系への拘りと、「舎人」への憧憬とによって案出した雅号の一つである。