本鵞峰『本朝一人一首』に収録された懐風藻本文は、林家系統懐風藻写本の本文とも、林家編纂も史書『本朝編年録』『本朝通鑑』収録懐風藻本文とも異なる特徴を有している。林家では、漢学の家柄にふさわしく、特定の本文を史実に転写するのではなく、漢詩文の表現としての適切さという観点から本文検証を行い、不適切と判断した箇所には改訂を施したと推定される。