「白雲書庫本懐風藻」は現存しない。本稿それを復元し、その性格を論じた。奥書では三条西実隆本由来だと主張するが、天和版本の墨格箇所に限定的に諸本とは異質な文字を持つことから、天和版本刊行後に案出された極めて新しい本文と見られる。野間三竹没後30年ほどたって出現した伝本であることからも、後世に新たに生み出された本文の可能性が高い。