鎌倉新仏教論の諸研究では、法然・親鸞らの社会的基盤に関する研究が進められていたが、黒田俊雄氏が提唱した顕密体制論では「異端=改革運動」と位置付けられ、社会に大きな影響力は認められないとされた。また、平雅行氏によれば、専修念仏教団は法然・親鸞らの思想的特徴を放棄することで存続したとされる。しかし、中世における専修念仏教団の社会基盤については、実証的な議論が十分ではなく、さらなる研究が必要であることを指摘した。