「長期的な目標に対する忍耐力と情熱」と定義されるグリットは心理学やビジネス、教育において注目を集めている。グリットの領域特異性を試す研究の一環として本研究は英語教師特有のグリットを計る測定器「L2-Teacher Grit Scale」(L2TGS) を紹介する。新しい測定器を開発し、パイロットした後、202人のESL/EFL教師から回答を収集した。L2TGSの信頼性と妥当性を測るためにデータの分析を行った。結果として、十分な内部整合性信頼性と構成概念妥当性が見られ、一般的グリットを計る「Grit–S」との併存的妥当性も確立された。本研究は、職業固有のグリットが存在することを裏付けた。今後の研究課題として、職業別のグリットは語学教師の選抜や管理目的に使用できるか、また個人のグリットが介入の影響を受けやすいのであれば、教員養成とFDを通じてどのようにグリットを育めるかを確認することが重要であろう。