本書は、近代中国における知識人・メディア・ナショナリズムの三者の相互関係を、鄒韜奮及び生活書店という限定された歴史事象の領域において、多角的に実証しようとするものである。本書は、「導入篇」、「人物篇」、「書店篇」、「言説篇」の四部構成で論を展開していく。終章では、これまでの考察から得られた結論を総括したうえで、生活書店から三聯書店への転身にかかわる経緯を取り上げ、出版ジャーナリズムの民国期から人民共和国への連続性という問題を提起し、今後の課題及び研究展望を述べる。