キーワード:伊勢物語、歌舞伎若衆、大坂歌舞伎 『野郎仁勢物語』(作者未詳、寛文頃・1661-73年刊)は、従来『伊勢物語』本文をもじった作品として知られている。他方で、本作は寛文頃の大坂の歌舞伎役者(主に歌舞伎若衆)の動向をうかがうことのできる貴重な資料である。そのことに鑑み、上巻しか現存していない当作品ではあるが、翻刻を公開し、知りえた限りの大坂歌舞伎の動向を加え た。