法然門下がどのように『往生要集』を捉えていたのか。今は弁長を主題にし、『往生要集』に関連する記述を検討し、以下の特徴を見た。①善導と源信の念仏を同義とする立場。②『往生要集』を「直弁往生義」として位置づける立場。③『選択集』に説く異類の助業に沿った立場。全体として善導、源信、法然を弁長がひとつの流れにおいて捉えていることが窺え、とりわけ②は法然の『往生要集釈』等の「六義」と関連することを確認した。