法然遺文中から『阿弥陀経』所説「若一日乃至七日の念仏」を註釈する箇所を抽出し比較考察を加えて「念仏多善根」の成立過程を見た。つまり善導『法事讃』「随縁雑善」等の文と『龍舒浄土文』の文とで「若一日乃至七日の念仏」を合釈することで「念仏多善根」が成立していくことを確認した。また善導の当該文の引用を巡っては「選択証誠」の成立と密接に関連していることも合わせて確認した。