京都市檀王法林寺には袋中(1552-1639)手択本の『往生要集鈔』を蔵する。江戸時代の書写であるが伝本中最古の本奥書を有し、また該本は『往生要集鈔』から『往生要集義記』への変遷を見る上で分水嶺となる特徴を有する。つまり『往生要集鈔』から『往生要集義気記』への変遷には良忠(1199-1287)が直接関与しておらず、その変遷にはこの檀王本が直接関与している可能性が高いことが指摘できる