〔目的〕ユマニチュードに基づくARシミュレーターを用いた認知症患者に対するコミュニケーション技術演習の学習効果を評価する。 〔方法〕看護学生39名を、ARを用いた訓練群(AR群)と、モデル人形での訓練群(人形群)にランダムに割付け、両群30分の訓練前後に認知症模擬患者に対してタスクを実施し、学生によるコミュニケーション技法の習得感や学習意欲などの主観的評価と、模擬患者による評価を行った。 〔結果〕学生の主観的評価では、「どれくらい話しかけたらよいか(p=.002)」、「アイコンタクトの大切さ(p=.003)」、「患者との距離の取り方(p=.004)」の3項目でAR群が有意に高かった。 〔考察〕主観的評価でAR群が有意に高かった3項目は、認知症高齢者とのコミュニケーションにおいて重要なスキルであり、ARシミュレーターを用いた技術演習の学習効果が示唆された。