講演・口頭発表等

基本情報

氏名 臼井 奈緒
氏名(カナ) ウスイ ナオ
氏名(英語) USUI Nao

タイトル

戦後の小学校音楽科教科書にみる美しき絵譜の世界

講演者

 

会議名

日本音楽教育学会第50回大会

開催年月日

2019/10

招待の有無

 

記述言語

 

会議区分

 

会議種別

ポスター発表

主催者

日本音楽教育学会

開催地

東京芸術大学

ID:NAID(CiNiiのID)

 

概要

日本の音楽教育において,絵と音楽の融合した絵譜は1947年以降,教科書や専門書に掲載され始め,戦後から現代に至るまで,絵譜の形態は時代とともに変容しながら,主に小学校音楽科教育の読譜指導に用いられてきたが,現在の低学年の音楽科教科書に見られる絵譜はごくわずかであり,その形態はもはや絵としての様相を呈していない。 
現在使用されている教科書で見られる絵譜は,そのほとんどが「五線の上に階名が書かれた白抜きの丸または白抜きの音符で旋律が書かれているもの。五線譜の形態で,音符の中に階名が書かれているものも含む」白抜き五線階名譜である。 
では絵譜の絵画性はどうして日本の音楽科教科書から失われていってしまったのか? 
20世紀のドイツにおける教育改革運動の潮流のなかで生まれた絵譜は,掲げられた「Vom Kinde aus子どもから」のモットーを,絵と音楽を結びつけ,独特のアプローチで幼児に語りかけることにより具現化し,児童中心主義の産物として正当に評価されてきたのである。 
そこで本研究では,日本の音楽科教科書の変遷において,絵譜に込められた本来の使命や存在価値を真に継承していた痕跡を見つけるため,戦後に出版された検定教科書に掲載された絵譜の優れた「絵画性」に着目した。ここで改めて絵譜の「機能性」よりも「絵画性」に基づいた再評価を行いたい。

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