本研究では現職の保育者,保育者養成校の学生を対象に,絵譜を用いた歌唱指導実践を試みた。
絵譜を現職の保育者,これから保育者を目指す学生たちはどのように受け止め,その使用によって実際の歌唱や歌に対する意欲・理解に変化が見られたかを質問紙調査をもとに考察する。
子どもたちや保育者が音楽の世界に親しみを感じ,能動的に楽しみながら歌うことのできる絵譜の提案として、本実践では子どもの絵を生かした絵譜を作成した。子どもが描いた絵をモティーフとして作成した「はをみがきましょう」(則武昭彦 作詞・作曲)の絵譜を,保育者養成校での授業における歌唱指導,保育者対象講習会での歌唱指導にそれぞれ使用した。
絵譜に対する興味や印象,絵譜を用いた歌唱実践に対する反応,保育教材としての可能性を保育者に問うことで,保育現場での絵譜使用の可能性や,有益な活用方法につながる示唆を得,幼児教育へのさらなる普及につなげていきたい。