本研究では,保育者を志望する学生自らが表現者としての意識を高め,豊かな表現力を獲得することを目的とする。アンケートの実施,映像分析,授業形態・実技試験形態の工夫などの実践を通して,学生の意識の変容とその効果を考察した。豊かな歌唱表現には歌い手である学生自らが音楽そのもの,歌唱に対するイメージをもつこと,それを表現する自己と聴き手を意識することが大切であり,その過程を踏むことによって子ども(人)の心を捉える理想の歌唱に近づけることを確認できた。