比較研究5 古ウパニシャッドから原始仏教に至る思想は、新興の地を中心に展開され、シュローカ体の詩偈が普及する。それらの詩の中で、『プリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』3.9.29-32と『ダンマパダ』338,283-284の人間を樹木に譬える類似の詩偈を比較し、輪廻の原因としての欲望・渇愛の問題、さらに『相応部』因縁相応第六「樹品」の渇愛から始まる五支縁起説との関連を考究。