「衆生」を人間に限定して考察すると、「衆生」が存在する空間は、人間界であり娑婆世界の閻浮提ということになる。本論は、敦煌莫高窟の唐代における西方浄土変、供養者像、弥勒下生変を取り上げ、人間が所在する閻浮提に対する空間認識が唐代の仏教美術どのように働いていたのかを明らかにする。