従来、唐代西方浄土変の研究において、善導こそがその成立と発展に決定的な影響を及ぼした人物として注目されてきた。しかしながら、敦煌莫高窟などの現存作例に徴すると、善導の影響はほとんど認められず、従来は善導の影響というものが実情よりも過大に見積もられてきたと解されることを指摘する。