本書は、ファシズム期の宗教と文化を対象とした比較研究の論文集である。「『遅れてきた国民』の宗教と政治」「文明のなかの非合理的なもの」「宗教研究はファシズムをどう経験したか」「両大戦間期の神話研究」の4部構成からなる。私は、近代日本の「超国家主義と仏教」の問題系について論じた「超国家主義と日蓮主義―カルトとしての血盟団」(pp.63-100)を分担執筆した。 編者は竹沢尚一郎、執筆者は川村邦光、深澤英隆、山中弘他、計10名。