本書は、2001年以降に発表した自らの近代仏教研究に関する論文9本をまとめた論集である。「Ⅰ 近代仏教を問い直す」「Ⅱ 国民国家と近代仏教」「Ⅲ 越境する近代仏教」の三部構成からなる。序章では現在の近代仏教研究の課題を指摘した。第Ⅰ部では日本近代仏教史研究の新しい視座を提示し、それにもとづく事例分析を行った。第Ⅱ部では仏教者の政治参加、ナショナリズム、戦争の問題を取り上げた。第Ⅲ部では国家の枠組みを越境しようとした動向として、仏教アジア主義、超国家主義、反戦・反ファシズムの仏教社会運動を分析した