本書は、「冥界」と「顕界」をキーワードとして、日本の古代から近代における「冥界」と「顕界」の関係やその特徴を思想史・宗教史・社会学・民俗学・考古学・美術史・言語学などの多方面から問い直した論文集である。私は、文学者の宮沢賢治の法華信仰を事例として、近代世界における「死者のゆくえ」を論じた「近代法華信仰にみる浄土観の一断面─宮沢賢治の場合」(pp.365-392)を分担執筆した。 編者は池見澄隆、執筆者は斎藤英喜、今堀太逸、八木透他、計17名。