本報告では、田中智学と本多日生による日蓮主義運動を事例として、宗教運動の形成過程を運動論的に分析した。 運動と①民衆的宗教世界との関わり、②知識人集団との関わり、③他の教団組織との関わり、④政府当局との関わりに注目し、両者の運動が民衆的宗教世界と知識人たちの「法華ネットワーク」を背景として、日蓮宗門と政府との交渉・相互作用を通じて、構築されていったことを明らかにした。