本報告では、近代日本の日蓮信仰の一事例として、軍人の石原莞爾の日蓮信仰を取り上げ、検討した。 石原の日蓮信仰の中核には、「五五百歳二重説」という終末論的な日蓮信仰があり、「天皇」を宗教的シンボルとして意味転換し、最終戦争による世界統一の実践主体として位置づけた点に、その重要な特徴があったことを指摘した。