本報告は、「国家神道」の構成要素の内実や歴史的展開について、国家・神道・仏教などの多角的な観点から検討することで、「国家神道」を再考することを目的としたパネルでの報告である。 私は、国柱会の田中智学と日蓮宗の高鍋日統の言説を分析し、両者が国体神話を組み入れた日蓮仏教を社会的に説くことで、「日本国体と日蓮仏教」の関係性が公的に実現した理想の宗教的国家像を人々に提示し、その実現に向けた運動や実践への参加を人々に動機づけた、と結論づけた。