本報告は、地域社会における仏教運動の社会的機能について分析することを目的としたものである。 その事例として、1920年代の山梨県における大日本日蓮主義青年団の事例を取り上げ、小作争議の激化によって村内秩序が不安定化した地域社会で、この団体の指導者やメンバーがどのような対応を図り、村内秩序の安定化をめざしたのかを検討した。結論として、宗教による精神教化を通じて、地域の社会秩序の安定化を図るための活動を実践したことを指摘した。