キーワード:宗教者平和運動、宗教の公共的役割、原水爆禁止運動
本論は、宗教人懇談会(1950年4月結成)と京都仏教徒会議(1954年5月設立)の活動によって本格的に生起した戦後京都の宗教者平和運動の展開過程を論じた論考である。両団体の活動を分析した結果、1950年代を通じて、京都の仏教者・仏教系知識人たちは全面講和運動や原水禁運動に積極的に関わり、京都の労組や平和団体、地域組織との連携を通じて活動することで、戦後京都の秩序形成や府民たちの「平和」認識に対する一定の公共的役割をはたしたことを示した。