本論は、顕本法華宗管長・本多日生の日蓮主義運動を社会学的に分析した論考である。 本多による1910~20年代の社会教化活動を検討した結果、本多は、当時の社会問題を思想問題に還元した上で、人々に精神教化を説き、「理想の国家」の実現をめざす「社会改造」を強調した。その営為は、社会教化活動を通じて、新たな社会秩序としての理想の「国家と宗教」の関係(政教一致)の実現をめざすものであったことを明らかにした。