本論は、日本における近代仏教研究の現状を示すため、とくに2000年代以降の研究動向を振り返りながら、その特徴を示した論考である。 1960年~70年代半ばに第一の研究のピークという時機が到来し、2000年代以降は第二の研究のピークというべき状況にあることを指摘した。ついで、①近代仏教のメタヒストリー、②学知と仏教、③近代真宗史、④近代仏教のトランスナショナル・ヒストリー、⑤近代仏教と戦争、⑥国家と仏教が現在の特徴的な問題群であることを明らかにした。