本論は、戦後日本の宗教運動論の研究史を踏まえて、宗教運動に対する新たな研究視座として、構築主義的アプローチの導入を主張した論考である。 近年の社会運動論において、シンボルや意味の問題が見直されていることを確認し、宗教運動の構築主義的アプローチの展開のためには、相互行為に分析視点を設定し、諸個人の相互行為による意味と集合行為の構築過程に着目して宗教運動を分析することが重要であることを示した。