本論は1999年6月に催された「宗教と社会」学会第7回学術大会ワークショップ「現代世界の宗教性/霊性」での報告原稿をもとした論考である。 20世紀日本の宗教研究史を再検討して、1900年前後の宗教学の成立から、現代までを7期に区分し、各時期の特徴を析出した。現代宗教の社会形態を考える上で、宗教の個人化がメルクマールとなり、従来の宗教研究では不十分だった行為者に着目したアプローチが重要であることを提起した。