本論は、日本宗教社会学史において「宗教」や「社会」がどのように分析され、どのような現代社会論が提示されてきたのかを検討した学説史研究である。 『リーディングス日本の社会学19 宗教』(1986年)の構成と内容を分析した上で、今後の研究課題として、研究者と研究対象の当時者性を主題化すべきこと、「宗教と社会」の関係に関するマクロな分析枠組を作り上げること、同時代の現代社会論に接続することが重要であると結論づけた。