本論は、近代日本の「政治と仏教」の関係に関する先行研究をレビューし、この研究領域の特徴と研究視点を整理し、今後の研究の方向性を展望した論文である。 日本における「近代仏教」の特徴をアジアと比較した上で、「政治と仏教」に関する研究領域をハード面(制度的・政策的側面)と、ソフト面(イデオロギー的・教学的側面)に区分し、今後、問うべき課題が「政治と仏教」の政教関係と、仏教者・仏教集団の政治活動(政治参加)にあることを明確にした。