本論は、2009年12月の日本仏教総合研究学会第8回大会での報告原稿を加筆・修正した論考である。 1930年代の妹尾義郎らの新興仏教青年同盟メンバーの「新興仏教」言説が、宗教界や反宗教運動勢力との対抗関係によって形成されたことを分析した。また、妹尾らの社会的・政治的な活動を問う際、「政治と仏教」という視点に加えて、「仏教の政治性」の新たな視点が重要であることを提起した。