本発表は,宋代において明州から日本へと発送された書簡を整理し,そのうち外交文書としての牒状について考察した。日本に対して明州が発行した牒状は当時の東アジアにおいては共通文書様式であったが,こうした牒状を用いた外交が日本に対して朝貢をも取り扱ったところに特徴があったことを論じた。