秦漢帝国や隋唐帝国,明淸帝国など中華を統一した帝国が存在する中で,唐帝国が揺らぎ始める後半期から,南宋期までを中華帝国史の中世と位置付けて,その特質を探った。中華帝国に対等・拮抗する国家の出現により,中華帝国はそれらの国々と対等的関係を構築する「盟誓」を用いて平和的・併存的関係を維持した。犠牲親族関係・国境の画定・至上権威のよる承認などを特徴とする盟誓締結にもとづく国際体制(「盟誓体制」)は中華帝国史上の時代的特徴を有するものであった。