本研究は,呉越国における対外政策について,これまであまり注目されてこなかった点について論究した。一つは,山東省の地方志に記載される碑文に登場する呉越国建国者銭鏐の,山東半島における活動について。もう一つは日本の史料に残る呉越国関連の記事を整理し,新たな事実を指摘した。