本稿は,天聖令における宋賦役令文の分析から,宋代に登場する五等丁産簿の歴史的位相について論じた。五等丁産簿にみられる戸等制は,職役賦課の基準となり,両税法成立によって唐代までの九等戸制とは異なる性格を有した。純粋な戸籍ではなく,専制国家が租税負担戸より労役を効率的に挑発するために成立したのが五等丁産簿であった。