キーワード:明州 都市空間 楼店務地 経界法 宋代の都市研究では、地方都市の解剖がほとんど進んでいない。本稿では、『開慶四明続志』巻七「楼店務地」条に注釈をほどこしたうえで、宋代地方都市の一つである明州城の都市空間を復元する。楼店務地(官有地)には三等九則のランクがあり、これらを復元することによって、官有地の高下が判明する。したがって明州城の都市空間とその構造が解明される。