【方法】
対象は,平成29年4月から翌年3月に退院した回復期リハ病棟患者のうち入院時HDS-R20以上,MMSE23以上の者71名(脳血管疾患患者(脳血患者)45名,運動器疾患患者(運動器患者)26名)とした.方法は,在院日数を指数37以上(達成群)と37以下(非達成群)に分け比較,達成群と非達成群で,入院時と退院時FIM項目をそれぞれの群で比較した.
【結果】
在院日数では,脳血患者および運動器患者とも達成群と非達成群間で有意な差は認められなかった(p>.05).
脳血患者の達成群FIM点数で入院時と退院時の比較ではすべての項目で有意差が認められ(p<.001),非達成群では食事,尿・便コントロール外で有意差が認められた(p<.05).運動器患者の入院時と退院時の比較では,達成群と非達成群の間で,指数に関係なくすべてのFIM項目で有意差が認められた(p<.05).
【結論】
脳血患者,非達成群の入院時と退院時の食事,尿・便コントロールでは有意差が認められなかった.指数37以上達成のためには上記項目の改善が重要なことが示唆された.運動器患者に関しては,達成群,非達成群ともに有意差が認められたことから,わずかでも入院日数の短縮が指数には重要な可能性が示唆された.