地域在住要支援高齢者31名の主観的健康感に関連すると考えられる要因について検討した.調査項目は要支援や要介護認定を受けている高齢者(要支援高齢者)の基本属性・介護状況,余暇活動,日常生活状況,心身機能障害,主観的健康感とした.分析の結果,主観的健康感と関連が認められた項目は,主に歩行,階段昇降,移乗,排泄,入浴,更衣動作であり(p<.05),これらの日常生活活動(Activities of Daily Living;ADL)が自立に近い者ほど主観的健康感が高い傾向となり,社会的活動との関連性は認められなかった.
以上より,要介護高齢者の主観的健康感の低下を予防するためには,ADLが自立することの重要性が示唆された.