本研究では在宅要介護高齢者を介護する主たる家族の主観的健康感および介護負担感に影響を与える要因について検討することを目的とし,通所リハビリテ-ション利用者の主介護者46名を対象に調査,分析を行った.調査内容は,主介護者の基本的属性,介護状況,介護負担感,主介護者の主観的健康感,介護負担感とした.
分析の結果, 介護者の各調査項目による主観的健康感の高い要因は,就労がある(p=.048),治療を要する疾患がない(p=.003),との結果となった.また,介護負担感の高い要因は,被介護者に認知症がある(p=.003),介護者の経済的負担が大きい(p=.034),となった.これらより主観的健康感の向上には,介護者本人の介護と就労の両条件が整っている,身体的・精神的に健康な状況での介護環境が必要,また,介護負担の軽減には,経済的負担を最小限とするこのとの必要性が示唆された.